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SONY MHC-S70 修理

SM701.jpg

CDチャンジャーとカセットデッキが動作不良と言う事で修理依頼をお受け致しました。

この機種のラインナップではMHC-S90と言うセットが有名で、その一つ下のグレードになります。
以前、S90も修理した事がありますがAMPなどの機能が違うだけで、その他の部分は殆ど流用設計の様です。

先ずは、カセットデッキから。。。
SM702.jpg
これは、これから修理がに入ろうかとパチリ、記念撮影。

カセットデッキと言うと定番は、ゴムベルトの劣化です。
SM704.jpg SM703.jpg
このセットも同様でベロンベロンに溶けていますね~、SONYのゴムベルトは樹脂ゴムを使用している事が多いのでこんな感じで加水分解して時間と共に溶けて行きます。
除去は簡単なんですが、後始末が大変です・・・何せ、溶けたゴムをうっかり床カーペットに落としたり衣服に付着させると二度と落ちません! 手に着いた汚れも石鹸じゃ落とし切れず・・・まるで、溶解人間ゴム!

と、まあ
おふざけ(以外に親父ギャグは楽しんでる・・・)はこの位にして・・・さっさとメカ全般の定番メンテナンスをして、新しいゴムを掛けて動作確認へとなります。
このデッキメカは、比較的永い期間に様々な機種に使用されていたのでスタンダードなんですが、欠点としては経年すると、内部の樹脂部品が崩壊して行くケースが多いです。
基本的にはパナ程、弱いメカではないのですが、致命的なケースがあります。

これです。。。分かる方は、修理経験が豊富な方ですね。。
SM705.jpg
写真上部のギア部分に亀裂が入っているのが分かると思いますが、これが発生すると基本的には直せません。
デルリンと言う樹脂で出来ていて、本来は非常に粘りのある丈夫な材料なのですが、金型のタイバー部分なのかも知れませんが弱い部分があって、そこが徐々に亀裂が入り最終的には破断します。
打ち込まれたモーター軸径より当然、保持側の樹脂穴径は小さい訳ですが、このモーター軸の外径圧の分が常に穴を押し広げ様としている訳ですから、当然と言えば当然なんです。
現在の製品設計では、樹脂使用で穴と棒の寸法関係をもう少し分かって設計しているとは思いますが(?)当事物はこうなるケースが多いですね・・こうなるとこの材質は接着が聞きません方ので交換が必要です。
場合に依っては、亀裂が小さいうちに樹脂金属合成やカーボン樹脂系の接着剤で周囲をシールして対処する事もありますが、元々の耐久性の確保は難しいですね。

このギアに亀裂が入りと、一周毎に(写真下の)ギヤとかみ合い不都合が発生し、定常的にカシャカッシャとメカノイズが発生します。
また、ギアが完全に滑り出すとカセット再生不能になります。
カセット再生不都合はゴム要因だけではなく、意外と他にもあるんです・・・因みにパナ製のカセットデッキはゴムベルトより、ギヤ材質の問題でギヤ自体がボロボロになって再生不能に陥る事が殆どです。。また、別の機会にご紹介しましょう。

今回は、手持ちにストック部品があったので、交換して無事に動作する様になりました。
スペース上、記載しませんが、ヘッド系のクリーニングを実施した後、再生回転の調整やワウの測定など性能チェックと調整をして完了です。
勿論、TAPE認識スイッチなどの細かい電気部分も一通りメンテナンスするのは当然です。

次にCDチェンジャーです。
SM706.jpg
いきなりバラした写真から入ります。

先ず、ゴムベルトです。
5枚のCDは5段のトレーに載りますが、この部分はそのトレーを引っ張り出す動力源はモーター、モーターはゴムベルトを介して横方向のトレー引き出し様のギアを回転させています。
このゴムも張っている様に見えてスリップを発生させている事が多いです。
このゴムを替えますが・・・それで終わりではないんです。

SM708.jpg
そのゴムで駆動したギヤは、更にトレーを実際に出し入れする駆動部のベルトを駆動させています。
このベルトには、歯がついていて車で言えばタイミングベルトと同じ様な構造の物。。私たちは一般にバンドーベルト(本来はバンドーベルト社の名称、他社製も沢山あります)と言っています。(これがバンドー社製かは分からないのですが。。。)

このベルトも伸びています。
伸びると、トレーが最出/最納位置に来ないので検出スイッチをON出来ない為、適切に動作出来ません。
僅か1~2山伸びてもダメです。
これは、ちょうど良い寸法の代替えがないので、新品若しくは既存装着品を寸法加工して装着します。

そうそう、この機種(に限らないかも知れませんが・・)は、電源ONした後にCDメカの初期化をするらしく、駆動用の各種ゴムベルトがヘタってメカが上手く動かないと、前面パネルに何も表示してくれません、消灯したままです。
つまり、何も表示しないのでオーナーは完全に故障したと解釈してしまうのです。。。酷いですね~
CDが読めないとかは、NO CDとか表示するのです・・・

SM707.jpg
これが、チェンジャーメカの下側です。
長くて細いゴムベルト、これは溶けたり伸びたりしてシャーシの下に落ちているのを良く見ます。。
このベルトはCDメカ自体の駆動に使われていますが、長すぎますね・・・しかも横に張ってあるので最悪。。

その他、逆サイドにはトレーを上下させるモーターとゴムベルトがあります。
チェンジャーだけで、合計4本のベルトを使用しています。

SM709.jpg
メカを直して、CDの読込み確認をしたところ、レーザー出力が規定下限値一杯で音飛びが発生していましたので、ピックアップの交換をしました。
良く、ボリュームを回して短い寿命と交換にレーザー出力を上げてしまう修理屋さんがいますが、ダメです。
ハードオフで買ってきたものをちょいちょいといじって、直ったぞーって感じでやってもダメです・・・CD再生で何らかの支障が派生しだした場合、レーザー出力の調整をしても一時的な措置で長持ちしません。
寿命の下降線には入った部品にカンフル注射しても、長持ちしないと言う事です。
調整が利くのは規定値内または近辺であるが、CD再生で問題が無く金も無い(笑)と言う時だけです。
寿命に変わりは有りませんが、直ぐにダメにはならないでしょう、保障は出来ませんけれどね。。

SM710.jpg SM711.jpg
最終的に表示パネルやセット内部のクリーニングや端子クリーニングで仕上げます。

複合機は時間と手間がかかります。
だからこそポイントポイントはしっかりやって、再び開封・・はしたくない訳です。

このセットの修理を依頼された方は比較的ご年配の方で、セットは息子さんが学生の頃に使用していたとの事。
息子さんが自立してから年月が経っても、親として大切に保管していたそうです。
そう言えば、納品先のご住所・ご氏名が違います・・そう、息子さんが息子さんのご家族と新居を構えたのを記念にお父様が息子さんへの思い出を修復してプレゼントに、と計画された修理だったのです。

私は、自分の息子にあげられる物は、まだ無いのですが。。。トホホ

HTS 北総テクニカルサービス
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SONY D-3000 電動扉の開閉不良

最近増えている、SONY D-3000の修理です。
今回は、電動扉が開かないので直して欲しいとの事でした。

この機種に限らず、電動扉の動作不良が発生する事があります。
殆どはメカ部分の劣化かモーター、若しくはスイッチの不良など直せるケースが多いんですが、今回のセットは動作ICの不都合でした。

修理は、このICが入手出来ない為、出来ませんでした。
パネルの開閉スイッチが押されると、ICからモーターへの開け・閉めの出力は直接的にモーターへ指示し、どちらを選択するかはセンサーやリミットスイッチの情報で判断しますので非常に単純です。

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最初は、目か周りから確認しましたが特に問題なし。。。

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センサーやリミットスイッチも問題なし。。。

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と言う事でIC周り(どのICかは、秘密です)のチェックをしました。
ICの仕様書が手に入ったので、関連ポートの入出力状況を確認して信号のやり取りがあるか確認しましたが、残念な事に扉の位置情報が適正にINPUTされているのに、出力の2ポート論理の開閉信号が閉まる側しか出ません。。。
この出力信号はその後、モータードラーバーICに直結するので命令側のIC以外に疑う余地が無いと言う事です。

少し回路やロジックに詳しい方なら、それではスイッチON→指示ICの間を切断して、位置情報回路の後ろにFF回路を組んでモータードライバーICに入れれば良いじゃないかと言う事に気付くかも知れません。
多分、私も自分のものであれば、追加回路を作って組み込みますが、これはお客様の品物ですから追加回路を入れての改造はその後の耐久性や保障問題も有ります、それ以上に回路を組んだり組み込んだりする時間を考慮に入れると、修理費が非常に高くなりますので趣味の範囲では終わりません。
正常動作する中古品が買えてしまいますからねぇ。

と言う事で、今回は金額が許せばの条件で対応可否を説明してコストがお客様の割りに合わない事を説明しました。
でも、今のままではセットが使用出来ないので、ご使用出来る様にモーターハーネスを外して電気的に信号遮断すると共に扉ギアアームを外して手動で開閉出来る措置にしました。
安価に直すチャンスが来た場合に備えて、ハーネスは繋げば良いしアームは耐熱テープでセット内部に保管しましたので元の姿には直ぐに復帰出来る配慮はさせて頂きました。

そうそう、電源スイッチのON/OFFが悪かったので、代替え部品に交換しました。
D36.jpg

スピーカーユニット、ベタついた操作ボタンやセットインシュレーターのコーティング除去などもやっておきましょうD38.jpg D37.jpg D40.jpg

 
今回、CDの読み込みは大丈夫と言うお話でしたが、少しばかり出力が低下して傷Discの読みが悪いので、少しレーザーの光量を調整しました。
レーザー光量は古くなれば正規値より下がっているのは普通ですが、数十パーセント(秘密です)以上の低下が見られた場合、例え現在はDiscが読めていても調整はしません、交換です。
一定%以上の低下ゾーンに入ったら二次曲線的にレーザー出力が低下しますので、今度は徐々にではなくいきなりDisc読めずが発生するだけです、寿命は同じ様なものなのです。
自動車の修理と同じで壊れてから直すより、壊れる前に交換する方が結局は、その部分のケアで済む訳です。

明日から、この後継機であるMD-7000が修理のお待ちかねでーす。


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プロフィール

The Sky Breathes

Author:The Sky Breathes
大手電気メーカーに永年勤めた電気・メカ、2足の技術屋さん。
現在は、自営で電気機器や機械類の修理、設計の仕事をしています・・・
何でも直しちゃう事とロープライスが自慢。
業務の出来事や趣味の音楽、機械いじり・大工・園芸~友達や家族との日常の出来事、徒然に書いています。

記事に関しては、お客様・友人などの許可を得られた場合のみ、記載しております。

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