SANYO MR-U4SL サンヨー おしゃれなラジカセ U4

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今回は、久々のラジカセです。

SANYO MR-U4SL と言う小型ラジカセです。
ダックスフンドのイメージでU4ラジカセなんて呼称、皆さん覚えていますか?

この時代のラジカセは、SONY、AIWA、SHARP、ナショナル、日立などなど名だたるメーカーは大型化
する傾向がありましたがSANYOは小型精密化を狙っていたのか、U4は確固たる地位がありました。
また、U4シリーズは各年代の物が様々あって、このモデルは後期の熟成したモデル、カッコ良いです!

小型ラジカセと言っても馬鹿に出来ません。
現在の様にマイコンやモジュールがあれば何でも出来る時代ではないからです。
ほぼ同じ様なアナログの電子回路を如何にコンパクト設計するかがキーになります、基板設計だって
今はCADでササッとやりますが、この時代は手書き版下を作成して投影感光して作っていた様な時代
ですから、設計者の苦労も想像出来ます。

さて、オーナーは永きに渡って愛用した機器のカセットが動かなくなったので見て欲しいと私を訪ねて
くれました。
程なく、送られて来たササッとセット開封して病巣を確認します。
開けてみて最初に目に入ったのはセット内部の底面にベトベトした物質がテカテカと光っていて、触っ
てみるとヌルヌルした怪しい青色の液体でした。。

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どこからこの液体が来るのか、臓物を剥ぎながら確認するとカセット蓋の裏側がしっとりしています。。
良ーく見ると、あら?カセット蓋のダンパーが液体まみれになっています。。。そうなんです、ダンパー
が経年劣化し、シールが磨耗した隙間から少しずつ染み出していました。。。ダンパーを開けると、す
っかりオイルは流れ出していました・・カセット蓋のインナーにも回っていて、埃を引きつけています。

オイルシールと言っても一体型なので、この部品の再生が出来ませんので同じ、または代替えを探し
たのですが何せ小型ラジカセですから、見つかりません。。。
オーナーには、訳を言って今回は部品交換をせず、クリーニングで終えましたが幸いMade in japanで
すね、ダンパーが無くても蓋止めはしっかりしていて開閉や耐久性には問題ありませんでしたのでご
容赦頂きました。

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さーてさて、元々のオーナーの訴えはカセット回らずです。
当初、オーナーが仰っていましたが、回転伝導ゴムベルトが切れているのではないかとのご申請は
合っていました。
このゴムの長さを調査&実際にプーリー間を計って、適切な物を専用メーカーに注文入手して、正規
の位置に掛けます。
このゴムベルトは、長さだけではなくて太さも違い過ぎるとモーター回転が規定値と変わってしまいま
すのでオリジナルに準じた方がやっぱり良いので、正確なものを取り付けます。
総組み前にモーター回転数/ムラ/歪などを専用のテープと測定器でじっくり測定・調整して・・・はい
、元気になりました。
写真にはありませんが、メカ部もきちんと手を入れました、グリスも全て新たに打ち直してね。

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メカ周りは埃で一杯でしたが、綺麗に分解して、お掃除ゝ!
陽動部分の異常が無いか点検したら、ゴムベルト装着して、グリスアップです。

基板を点検中に・・・うっ、さっきのダンパーの油がここにまで。。。幸いここだけですが・・・。
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一部のハンダ付けもすっかり酸化して真っ黒で導通がない~!
原因は、あの上述した「ダンパーオイル」に間違え有りません、場合に依ってはこの部分の回路はダメに
・・・となると、大手術になります。

組成状態をいろいろと確認したのですが、幸い銅箔は大丈夫でした!
基板は銅箔で回路配線されていますが、ハンダ付けする部分はそのままの銅箔ですがハンダが不必要
な部分は防錆・絶縁の為、、レジストと言う保護インクでコーティングされています。
このコーティングが銅箔をしっかり守っていました。
一部、部品のハンダ付け部分が腐食していましたが、ここもハンダの酸化(黒化)までで、寸止め状態でし
たので、少しの補修で事なきを得ました。。。
勿論、コーティング層を粗取りして新たにコーティング材を塗りました。


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セットの受け入れ時に気になった事がもう一点、AMとFMのラジオは針が共通で目盛りが2つ(AM/FM別)
ですよね。。これ、AMがずれています。
なので、AM回路の調整をして、あるべき目盛りでラジオ同調する様に調整をしました。。。んで、バッチリ!
ついでにゲインも調整して、本来の感度を取り戻しましたよ!

これで、修理関係はほぼ完了!

後は、せっせと各部のクリーンアップ&油脂交換・補給で元気を取り戻して貰いましょう。
スピーカーは外して掃除し、ネットも錆を落として同色で部分タッチアップ。
カセットの録再ヘッドやピンチローラーなど、せっせとお掃除(しないと特性の測定が出来ない)して、ちょっと
フキフキすると真っ黒ですー。(松井和代風)
その後、外装のメッキやプラスチックの表面研磨、入出力端子も全点、接点掃除。

そうそう、弊社では端子やボリューム類は全て専用の薬剤で処理します。
良く、ボリュームのガリを取るのに接点復活材を吹く人がいますが、銘柄を間違えると吹いた時は直りますが
何週間かしてダメになる事もあります。
我々は、お客様に永きに渡り使用して頂くので、こう行ったケミカル的な材料にはかなり気を使います。
ガリも直せないものは交換もありますが、貴重な部品の場合は部品を個々に分解して部品レベルから直しま
すが、これも表面処理をしておかないと、永く持ちませんね。
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バラした時が大掃除の時期ですかね、手の届かないところまでやります。

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メッキ部分もせっせと。。。
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どうですか?綺麗になるでしょう?
こんな感じで、外装もあちらこちら綺麗にして行きます。
メッキ部分が綺麗になると、なーんかメチャクチャ嬉しいっすね!

今回は、かなりフルにリペアーしましたが、キャンペーン中だったので特に費用とお時間で勉強させて貰いま
した。
お客さんの喜びのお言葉も勿論そうですが、こう言う子(U4)が見るゝ元気になってまだまだ活躍すると思うと
それだけで嬉しいのです。
だって、こう言う類の機械って青春時代のアイテムでしょ?なーんか良いですよね!

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では、またー!!

HTS 北総テクニカルサービス
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プロフィール

The Sky Breathes

Author:The Sky Breathes
大手電気メーカーに永年勤めた電気・メカ、2足の技術屋さん。
現在は、自営で電気機器や機械類の修理、設計の仕事をしています・・・
何でも直しちゃう事とロープライスが自慢。
業務の出来事や趣味の音楽、機械いじり・大工・園芸~友達や家族との日常の出来事、徒然に書いています。

記事に関しては、お客様・友人などの許可を得られた場合のみ、記載しております。

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